この記事のポイント
- 「オーガニック(有機)」は、国(農林水産省)の有機JAS規格に基づく基準。
- 有機JASマークがなければ「有機」「オーガニック」と表示して販売できない。
- 「オーガニック」は畑での作り方の基準、「無添加」は工場での作り方の表示。
「オーガニック」という言葉は、野菜から加工食品、コスメまで幅広く使われています。でも「具体的に何が良いのか」「有機JASマークが付いているものとの違いは」と聞かれると、答えに詰まることも多いのではないでしょうか。この記事では、国の制度(有機JAS)に基づいて、オーガニックの正しい意味と選び方を整理します。
01. 「オーガニック(有機)」とは
「オーガニック」や「有機」と表示できる食品は、JAS法に基づき、農林水産省が定めた有機JAS規格をクリアしたものに限られます。その証として付くのが「有機JASマーク」です。このマークがないのに「有機」「オーガニック」と表示して販売することは、法律で禁止されています。
有機JAS規格の基本的な考え方は、化学的に合成された農薬や肥料、遺伝子組換え技術に頼らず、土壌の力や自然の恵みを活かして生産すること。環境への負荷をできる限り抑え、持続可能な農業・加工を目指すものです。
02. 有機JASの主な基準
有機JASには主に4つの区分があります。
有機農産物(野菜・果物・米など)
種まき・植え付け前2年以上(多年生作物は3年以上)、禁止された農薬・化学肥料を使っていない畑で栽培。栽培中も化学合成農薬・化学肥料は原則不使用で、遺伝子組換え由来の種苗も使いません。
有機畜産物(肉・卵・牛乳など)
飼料は主に有機農産物または有機飼料。病気予防目的での抗生物質を使わず、放牧などストレスの少ない環境で飼育します。
有機加工食品(パン・豆腐など)
水と食塩を除いた重量の95%以上が有機の原材料であること。製造工程で使う添加物や薬剤は、原則として化学合成されたものは不使用です(豆腐のにがりのような必要不可欠な天然由来添加物は認められます)。
03. よくある誤解
誤解1:オーガニック=無農薬?
いいえ。化学合成農薬は原則不使用ですが、JASで許可された天然由来などの農薬が使われることはあります。
誤解2:オーガニック=無添加?
いいえ。有機加工食品では、JASで認められた一部の添加物(主に天然由来)が使われることがあります。無添加についてはこちらの記事で解説しています。
誤解3:オーガニック=栄養価が高い?
必ずしもそうとは言えません。栄養価は品種や栽培条件で変わり、科学的な結論は定まっていません。オーガニックの価値は、栄養価よりも、環境負荷を抑えた生産プロセスにあります。
04. 「オーガニック」と「無添加」の違い
| 比較項目 | オーガニック(有機) | 無添加 |
|---|---|---|
| 主な焦点 | 原材料の生産方法(農法・飼育方法) | 製品の製造・加工工程 |
| 基準・根拠 | 農林水産省の有機JAS規格(法的基準) | 統一された法的定義なし(事業者の任意表示) |
| 信頼の証 | 有機JASマーク(第三者認証) | 特になし(自己申告・説明責任) |
つまり、「オーガニック」は畑や牧場での作り方の基準、「無添加」は工場での作り方に関する表示、と考えると整理しやすくなります。
まとめ
オーガニック食品を選ぶことは、環境負荷を抑えた農法を応援するという選択でもあります。その信頼の証が有機JASマークです。マークの意味を正しく理解して、自分の価値観に合った食品選びをしていただければと思います。
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参考文献
- 農林水産省 「有機食品の検査認証制度(有機JAS規格)」
- 消費者庁 「食品表示法について」
- 農林水産消費安全技術センター(FAMIC)「有機加工食品の表示に関する相談事例」