この記事のポイント
- 「無添加」は「添加物ゼロ」ではなく、「特定の添加物を使っていない」という意味。
- 2022年の消費者庁ガイドラインで、何が無添加かを示さない表示は原則禁止に。
- 加工助剤やキャリーオーバーなど、表示が免除される例外もある。
「無添加」という言葉は、食品を選ぶときの基準のひとつになっています。でも、その表示は、あなたが考えている意味と本当に一致しているでしょうか。「無添加」と書かれた食品の原材料名に「調味料(アミノ酸等)」とある、ということも実はあります。この記事では、食品添加物の基礎と、「無添加」表示のルールを整理します。
01. 「食品添加物」とは
まず前提として、食品添加物とは何かを正しく理解しましょう。食品衛生法では、食品の製造の過程で、または加工・保存の目的で使われるものと定義されています。豆腐を固める「にがり」のような製造に不可欠なものから、保存性を高める保存料、風味や色を調える香料・着色料、栄養を補う強化剤まで、目的はさまざまです。
日本では、国が安全性を確認した指定添加物、長い食経験のある既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物の4つに分類され、管理されています。安全性については食品安全委員会などが評価し、一生涯毎日摂取しても健康に影響がないとされる量(一日摂取許容量:ADI)が設定され、実際の使用基準はそれを十分下回るよう定められています。
02. 「無添加」表示のルール
問題は「無添加」という表示です。「無添加=添加物ゼロ」と誤解されやすいこの言葉には、もともと法的な定義がありませんでした。そこで消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。
重要なのは、何が無添加なのかを示さずに単に「無添加」とだけ表示することは、消費者に誤認を与えるおそれがあるため原則として認められなくなった点です。
- 適切な例:「保存料不使用」「着色料不使用」(何が、が明確)
- 不適切な例:「無添加」だけ(何が無添加か不明)
つまり「無添加」と書かれていても、別の種類の添加物が使われている可能性はあります。原材料表示の「/(スラッシュ)」以降や、「調味料(アミノ酸等)」のような用途名併記を確認する習慣が役立ちます。
03. 表示が免除される「例外」
さらに、食品表示法では次の2つの場合、添加物の表示が免除されます。
- 加工助剤:製造過程で使われるが、最終的な食品に残らない(または残ってもごく微量で影響しない)もの。
- キャリーオーバー:原材料(例:醤油)に元々含まれていた添加物が、最終商品(例:せんべい)に持ち越されるが、量が微量で効果を発揮しないもの。
これらは表示されないため、ラベルの添加物表記だけで「自分の思う無添加」かどうかを判断するのは、実は簡単ではありません。
04. 「無添加=健康的」とは限らない
「無添加」は安心のイメージと結びつきやすいですが、必ずしも健康的とは限りません。たとえば、保存料を使わない代わりに塩分や糖分を多くして日持ちさせている場合もあります。だからこそ、「無添加」という表示だけでなく、栄養成分表示(カロリー・塩分・糖質など)も含めて、食品全体を見る視点が大切です。
たとえばSmall Treesのグラノーラは、保存料・香料・着色料・人工甘味料を使っていません。一方で、おいしさのためにメープルシロップや米油を使っています。これらは糖質や脂質でもあるので、ご自身の体調に合わせて適量を楽しむのがよいと考えています。「無添加だから無制限に」ではなく、中身を理解して選ぶ。それが誠実な向き合い方だと思います。
まとめ
「無添加」は便利な言葉ですが、添加物ゼロを意味するわけではありません。何が無添加かを確認し、表示の例外があることを知り、栄養成分表示まで含めて食品全体を見る。添加物を使うかどうかは安全か危険かの二択ではなく、作り手の考え方の表れです。ラベルを読む力が、あなたの選択を支えてくれます。
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参考文献
- 消費者庁 「食品表示基準について」
- 消費者庁(2022)「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」
- 厚生労働省 「食品添加物」
- 食品安全委員会 「食品の安全性に関する情報」